TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

夢うつつうつらうつら

なかば冬眠状態、気が付けば2022年ははじまっていて1月も三分の二が過ぎています。
目を覚まして近所をあてなく歩いてみたりして、ふたたび眠気に襲われ布団に潜り込んだりして。
現実でも夢でも、近くの人々遠くの人々の柔らかい気配に心はぷくぷくふくらんで内部は満たされます。
いつもノロノロスタートですけど、布へ一歩二歩三歩、、、、今年もみんなで一緒にね。

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あるがままの風景

見晴らしの良い丘の上で機に掛けた経糸に模様のための緯糸を一本づつ、一段づつ巻き付け布を織っています。仕事の内容と気配から彼女自身、または娘のための布を織っているのが伝わってきます。
「布はありますか?」と声をかけるとアトニ語で娘に話しかけ、娘は茅葺屋根が地面まで達した丸い家のなかから黒いレーヨン素材の擦り切れてぼろぼろになった布を持ち出してきて、木に掛けます。谷間から吹き上げた風が娘のスカートと風を揺らします。

どうしてここでこうして布を織っているのか、彼女の気持ちは彼女だけのものです。

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遊び

思い返せば、いつでもどこでもずっとみんなに思いっきり遊んでもらっていたのだと気づきます。遊びが過ぎて本筋から外れることも度々ですが、、、そんな時は外れて辿りついたところから、また違う遊びをはじめます。またいっぱ遊んでね。

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2009年7月 ティモール インサナ地方

男たちの持ち物調査

地面に並べたのは西ティモール アマヌバンの男たちの持ち物です。鰐模様の経絣の袋の上には檳榔の実とキンマの穂がちょこんと置かれています。その横に小刀、上の小さな竹筒には煙草の葉、、椰子で編んだケースの中身はこちょこちゅ大切な物(サンドペーパー、クギ、キバなど)、そして模様が刻まれた竹筒のひとつには石灰石、もうひとつにはキンマの葉、左端の金属の道具は檳榔とキンマを砕くためのもので、歯が抜けた年寄りの必需品です。
2006年の撮影記録です。いまでも檳榔、煙草は嗜好されていますが、容器のほとんどは密封性と耐久性の高いプラスチックに人気を奪われています。このころの写真はポジで撮影しています。フィルム交換の度にみんなにフィルムケースをせがまれるのです。

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2006年8月17日 ティモール

オエンラシからサムの家へ

暮らしかたで時間と距離の感じかたは異なります。ティモールで村人にくっついて歩くとき、家までの道のりを尋ねると「すぐだよ」と言われ、2時間くらいかかることがあります。彼らにとってはこれくらいの移動は日々のことなのです。日本で道を尋ねて「歩くと遠いよ」と親切に教えられ、聞くと20分くらいののことはよくあります。どちらもけっして嘘ではありません。時間の流れが違うのです。

道が整備され交通が便利になり移動時間が短くなると織物にかける時間も短くなります。ちょっと前までは歩いてすぐだったはずの場所も近頃では”バイクか車ではないと行けない”遠い場所になっています。
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