TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

スンバ島 コディの鳥

インドネシア スンバ島 コディの「カド ウマ」と呼ばれる屋根の装飾。カド ウマはコディの言葉で 「家の見張り」。この地方の伝統家屋は藁葺き屋根が蒼穹に突き刺さるように聳え、その天辺で家を見守るのが彼の役目。首をちょっと傾げた表情は愛らしく、緩めた膝が逆関節になっていないので人間ぽくもある。

半鳥人、それとも彫り間違えたのか。

美しいさえずりは聴けないけど、話はよく聞いてくれそう。





インドネシア スンバ

コディ

木彫

高さ50cm 鳥全長22cm

価格 \sold out

マスク ~ 西ティモール アトニ ~

マスクの力とは何であろうかと改めて考えさせられる。正面から眺めるだけではなく、自分の顔に付けたいという確かな衝動を抑えることは難しい。マスクをひっくり返して手のひらに乗せ顔に運び鏡に映る自分の姿を眺める。空虚な眼差し、歪んだ顔、傷だらけの肌、原始の脇に佇む人の影が浮かんでくる。







白黒写真 参考文献 Indonesian Primitive Art , Oxford University Press

とても古いフローレスの基本となる形のマスク。メトロポリタン ミュージアム コレクション



インドネシア 西ティモール

アトニ

木彫

高さ24cm 幅 16cm 厚み 9cm 重さ 541g

価格 sold out

スンバ コディのカビロ

インドネシアのコディで”カビロ”と呼ばれる、綿を紡ぎやすいように整えるシノ巻のときに使う板。

木綿織物のあるとこではこのシノ巻き作業は必要で、普通はただの板の上で細い棒を転がして綿を巻いている。

道具としてはそれで十分に用を足す。スンバ コディではその板に持ち手が付いていて、そこに顔が彫ってあるものもある。

ここまでなら納得もいく。彫られた部分はあくまでも持ち手としての機能を備えているのだから。



誰だろう、腕と足も彫ってみようと思ったのは?

ショートカットに肩からストンと落ちる直線ラインのドレスを着て、両腕を体の脇に姿勢よく立っている。

実際は寝かして使う道具なので起立はしないのだけど。

あれこの辺りの子かしらと思うよな、熱帯とはちょっと違うどちらかというと北国育ちのような趣きと装い。

肌がココア色なのにもかかわらず。



















身長:33㎝

身幅:13㎝

体重:680g

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カリマンタン イバンの櫛

インドネシア 西カリマンタン シンタンに住むイバンダヤックの真鍮の櫛。

鳥の頭の形から、櫛はカリマンタンに生息するサイチョウをモチーフに、

そこに5人が乗り合わせている。



どこに向かうのか?

飛んでいくようにも思えるが、

カリマンタンのジャングルを流れる雄大なカプアス河は生活の重要な交通手段とされ、

この乗り物はサイチョウの船とも考えられる。

頭部と尾には穴が開いていて、多分ビーズなどの装飾が施されていたのであろう。



点を2つ穿ち、その下に刻まれた一本の線だけの表情のなかに、

各人の心境を読み取れるような。

顔が両面に描かれているから総勢10名の旅。











どこでも乗り降り自由です。みんな一緒に。



サイチョウ全長16㎝

乗客身長5㎝

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スンバの薬入れ

水平な面の上では不安定な形も、ギュっと握りしめる掌のなかでは納まりがいい。

歪な捻りで先端が細くなっていく飴色の下部は山羊の角で、その後部にトカゲを背負っている。

黒光りする上部は水牛の角にスンバの祖霊”マラプ"が宙を見つめて蹲う。

儀礼の供物として捧げられた動物たち。

その肉も血も骨も角も皮も、命の恩恵を忘れないように新たに形を整える。

誰がつくったのか、もちろん名前など刻まれるはずはなく、

その無名の手はトカゲの、マラプのかたちの細部までを完璧に覚えている。

他の模様はここにはあり得ないと。



治療師の薬入れ、どんな薬が収められていたのか。









スンバ 薬入れ

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