TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

腰帯いろいろ

原始機または腰機は織手の腰に回した腰帯で経糸の一方を支える。

体の歪みや経糸を張る力加減が直接糸に伝わる。





西ティモールのゲワン椰子で編まれた腰帯



西ティモールの山羊の皮でつくられた腰帯



東スンバの木でつくられた腰帯









 現代版、プラスチックの袋でつくられた腰帯

                                                     どれもみな同じ腰帯







紡錘と鉛筆

紡錘は糸を紡いでちびてゆく。ちびた時間は糸に生まれ変わり、その糸の長さは瞑想の時間。

鉛筆は字を書いてちびてゆく。ちびた時間は紙に記録され、その記録は思考の時間。





こどもたち

とんがり屋根の集落に入ると、新しい訪問客を見つけたこどもたちが思いっきり歓迎をしてくれる。

=こんにちは=どこから来たの=

男の子も女の子もクルクルの目に真っ白い歯がのぞく。

話しをしたり、歌をうたったりしながら村を案内してくれる。



=アメちょうだい=1000ルピアちょうだい=ノートちょうだい=鉛筆ちょうだい=

=アメは持ってないし、1000ルピアはあげられない、ノートも鉛筆もとっても大切なモノなの=

彼らのおねだりを丁寧に断る。

それでも、歩きながら歌いながら、この台詞は繰り返される。あとは知らない顔して聞き流す。



おねだりは、今までに訪れた旅行者とのやり取りの経験から学び、

何かもらえればラッキーで、もらえなくてもそれはそれでオッケー。

青いシャツに短パンの男の子は、一番最初に駆けだして来て、ズッーとわたしの横にぴたりとくっついていた。

おどけたり大笑いしたり、そして=鉛筆ちょうだい=と繰り返す。



みんなに別れの挨拶をして集落を後にする。

他の子供たちはとっくに自分の遊びに戻っていったのに、青い服の男の子ひとりはしばらく付いてくる。

=鉛筆ちょうだい=

わたしは少し強い口調で、

=ダメッ=

今にも泣き出しそうな顔で、わたしを睨みつける。また来るねといっても返事もない。

細い一本道を歩き始める。100メートルぐらい進んでちょっと後ろを振り向くと青い小さな影がまだそこにある。

手を振る、裸足の足は最初に迎えてくれた時と同じように駆けて来る。

ポケットから鉛筆を取り出して渡す。胸の前で、小さな両手でギュッと鉛筆を握り締めている。

さようなら、また来るね。今度は小さく頷いた。



旅のとき、鉛筆を少し多めに持っている。

本当に必要なときのために。









コディ トシ集落

伝統家屋の中にはコディの「青い布」が飾れる。

トシ集落の長、ラト ラホロも「青い布」を纏う。







なかのTシャツも“青い”。そういえばダンも青いジャンパーを着ていた。

潜在的な青好き。