TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

建築を彩るテキスタイル ~LIXILギャラリー~

建築を彩るテキスタイル ~LIXILギャラリー~

2012年9月6日(木)-11月24日(土)

開館  10:00a.m -6:00p.m 入場無料

休館日 日曜日











解説パネルに気になることが書いてありました。以下一部引用です。

『明治初期の日本では染織技術の中で絵画的表現が最も優れたものが「染め」、次が「刺繍」であり、「織物」は絵画的表現が乏しいとされてきました。』





確かに「染め」「刺繍」は「織り」くらべ誰の目にもゴージャスです。

それらは織った布に、布といういしずえの上に染めたり刺したりして装飾を加えていくのですから華やかさは倍増しますし、

織りにくらべて表現が自由なのも確かです。そしてもちろん素晴らしい技があるからこそ自由に表現ができるのです。



(日本の着物の格付けもこの順番・・・誰が決めたのだろう・・・やはり見た目の豪華さなのか)



わたしの中での順番は「織り」「染め」「刺繍」で、これは好きとか嫌いとかの好みでの順番ではなくて、

古代からの布と人との関係性の順番とでも言うのでしょうか・・・なのでちょっとした違和感を覚えました。







人が着る、纏うことを基準とした布であればどれほどゆったりと纏う布であったったとしても大きさには限界があり、

その布に染めや刺繍を施すことが想像できますが、

もしもっと大きな布ならば・・・とんでもなく大きな布ならば・・・

展示を見ていて急に頭のなかがぜんぜん違うこととリンクされます。



「いままでの世界で一番大きな布はなんだろう?織り?染め?刺繍?、布の大きい順番はどうなのだろう」







ナスカのミイラ・・・

ナスカのミイラを包んだ百平方メートルを越える布は、人類が作った最大の織機によって織られたといわれます、

この布が人類が作った最大の布・・・、



世界で一番大きな布は、衣とも住とも関係ない・・・

ミイラを包んだ織り物・・・・ああ、今日もとんでもないところに行き着いてしまった、ここからどこに向かえばいいのだろう・・・













ライジュアの魔女たち

8月23日のブログでご紹介した、

アジア街道"不思議の島々"をゆく ~鶴田真由2000キロの旅~

昨日やっと見ることだできました。

ブログでご紹介しておきながら見ていなくて、

「見ましたよ」とおしゃって下さった方と内容のお話ができなくて・・・心苦しく思っております。



2第回目、ライジュアのお葬式はとても興味深い映像でした。

この島の魔女についてはティモール テキスタイルのBOOKSのコーナーでも紹介している、

鍵谷明子さんの「インドネシアの魔女」に詳しく書かれています。

魔女と布は切っても切れない関係なのです。









ウールの衣装 ~岩立フォークテキスタイルミュージアム~

ウールの衣装 -アルバニア、ルーマニア、インド北部、その他ー



岩立フォークテキスタイルミュージアム

2012年9月6日~12月22日

期間中/木・金・土 開館







この布とあの布は何が同じで何が違うのか・・・、

素材や染料、織りなのか刺繍なのか、模様はどうなのか、

この布はどうして一枚布のままを身体に巻きつけるのか、またポンチョはどうして単純な直線縫いだけなのか、

これはどうして服のかたちに仕立てられているのか・・・

けして広くはない展示室に、特徴的なウールの衣装が並んでいる。

布を知るには布を見るしかない。

一点一点を見て、一点一点を比べる、そうしていると未解決のままの答えのヒントがぼんやりとだけど頭をかすめる。



それはどの民族も、織った布はけして切り刻んではいないということを。

一枚布のまま纏うか、直線縫にして被るか、

小数民族の衣装にしたってほとんど直線断ちで、何十メートルもある布を襞にしてスカートにしていたり、

また日本の着物にしても鋏を入れるのは最小限にしている。

布に曲線に自由に鋏を入れている民族はいない。



織った布に曲線に鋏を入れることは、たてとよこの糸で織られている布に与えるダメージはとても大きく、

切り刻んだ残りの布は・・・無駄になる。



長い時間をかけて大切に織った布をそんな雑に扱うことができるわけはなく、

まして織ることを布そのものと同じように神聖なものと考える民族は多く、その神聖なこととものをどうして切り刻むことができるだろう。

もちろん第一の人生を終えて第二の人生を歩む布もあるけど。





それでは曲線の服のかたちとはどうして生まれたのだろう・・・

それはフエルトに秘密があるような・・・フエルトは曲線でも立体でも自由自在にかたちを造ることができるし、

鋏を入れても切り口にダメージはない・・・。

繊維ではないけれど皮もフエルトと同じような特徴がある。



一般的に西洋の服は立体的で東洋の服は平面的と考えられているけれど、

古代ギリシャ時代まで遡れば、人々はウールや亜麻で織った一枚布を身体にたっぷり巻きつけていた。

西洋の歴史でも、始めから切り刻んで服に仕立てるために布を織っていたわけではない。





東西を問わず古代から人々は、材料とするために布を織っていたのではなく、布そのものを織っていた・・・。



布の呼吸が聞こえそうなくらい近くで、日本で世界中の素晴らしい布を見ることができるなんて、

ここは、あたりまえの場所ではないのです。

アフリカの染織 ~文化学園服飾博物館~

周りの方々から「素晴らしかった」「まだ見てないの?」

ハイ、ようやく本日新宿に辿り着きました。





アフリカの布、なぜにこんなに身体にビンビン感じるのか?

展示室を何度もグルグル回り、全身に布を浴びながら考える。



聞こえるのです・・・アフリカの音・リズム・・・強烈なビートに合わせて布の上で飛び跳ねている精霊たちの姿、

広がるのです、アフリカ大陸のように、

彼らの身体から溢れ出る音、彼らの身体から溢れる文様・・・



ジャズもソウルもブルースもゴスペロも、ラップもヒップホップもファンクもスカもすべての原点が文様になって、踊ってる・・・

アジア人にはない、素晴らしき身体性・・・かないません。

危ない危ない、アフリカの布に手を出しては・・・















布に染みる音楽はこれ↓

猛烈にフェラ・クティを聴きたくなった。

今夜はアフリカンナイト!









かたちは音から生まれる、音からかたちは生まれる。