TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

旅の種類



一・点と点を結ぶ直線の旅・・・・そのつど行く場所は違っても必ず行った場所から同じ場所に帰って来る旅。



一・円を描く旅・・・・行った場所から次の場所、次の場所へと移動して、くるっと回って最初に行った場所と違う場所から同じ場所に戻って来る旅。



一・行ったっきりの旅、二度と戻らない旅。





1と2はすでに経験済み、さて3番目は・・・・。





「シロに咲く ヌノに咲くかな モヨウ花」 ~ 布う~

ティモール テキスタイル展示会のお知らせです。



シロに咲く

ヌノに咲くかな

モヨウ花

2013年9月6日(金)~16日(月)   12時~18時



布う

神奈川県中郡大磯町高麗2-17-48  T&F0463・61・8644



徒歩:大磯駅から焼く17分

バス:大磯駅から平塚行きにて5分「花水」下車

    平塚駅から3番線大磯二宮国府津行きにて7分「花水」下車

           3番線松岩寺息にて7分「花水橋」下車



木綿が白いのはあたりまえのことで不思議なことです。

昔々、西の国に住む人々は東の国から来た白い木綿を見て、

それは植物で有ると聞かされ、

東の国には羊のなる樹があるのだと思ったそうです。

シロいヌノに咲くモヨウのヌノを中心に、

ヌノに咲くアジアのモヨウを今年も布うに咲かせます。



ティモール テキスタイル  岡崎真奈美 6・7・8・13・14・15・16在廊しています。

「時を織り込む人々」 ~鳥丸貞恵~

中国 貴州省の苗族の染織を知るには欠かせない鳥丸貞恵さんの本。

知り合いの苗族の女性は、20年近く通うアメリカ人の蒐集家の友人が「素晴らしい本よ」と言って贈ってくれたと嬉しそうに話してくれた。

苗族の布好ならば、どこの国の人からも聞かれる名前です、布好きとして日本人として・・・。









「時を織り込む人々」 ~中国貴州省苗族 染織探訪15年

インクデザイン研究所 構成

西日本新聞社 2001年





そのほかに

「布に踊る人々の手」鳥丸貞恵 鳥丸知子



それぞれ一家に一冊、布と一緒に・・・。

民族衣装と子供の服 ~中国 六枝特区 ミャオ族~

坂道を駆け下りてくる親子を遠めで眺め、

小さな女の子も民族衣装を着ているのかと見間違えたほど色と縞の感じが妙に似ていた。



民族衣装を着ている女たちは皆、現代的エプロンをしていたし、

既製服を着ているはずの女の子のスカートもよこ縞が多かった。



こうゆう好みということなのだろう。







火麻の糸をつくる ~中国 六枝特区 ミャオ族~

早朝、石畳の掃除をする一行について村を歩いていると小さな広場で糸つくりをする姿を見つけた。

「火麻(フォーマー)?」と尋ねると、「火麻(フォーマ)」と素気ない一言が返ってくる。

ひとりの女性は刈ってきた火麻を壁に立てかけて、一本ずつ手に取り全体の4分の一ほどのところを折り曲げ茎の皮を2つに剥いてゆく。

もう一方の女性は剥いだ茎の皮を、竹のへらでしごき余分なものを取り除いていた。



朝の静かな時間が流れるなか、只々仕事の邪魔にならないようにと突っ立っていつまでも眺めているわたしに、

家のなかから簡素な腰掛を持ち出して、やはり素気ない態度で腰掛を足元に置いてくれる。

こんなときは彼女に習い、余計な言葉を口にせず黙って座るだけでいい。



彼女たちの日常生活の外にいたわたしは、彼女たちの日常の中に場所をつくってもらった。











火麻を織る ~中国 六枝特区 ミャオ族~

安順8:30発のバスに乗り六枝10:30着。六枝のバスターミナルを出ると雨が降り出して来た。

ここから歩いて少しのところに梭嗄行きのミニバス乗り場があると教えられたが、どのぐらい少しのところなのだろうか?

まぁ考えても仕方がない、足を一歩踏み出せばその分は前に進むのだから。

傘を広げ雨のなかを歩きはじめながら、今日は六枝で宿を探し明日の朝早く移動したほうがいいだろうかとも考える。





ここから梭嗄までは一時間ほどかかり、そこからは歩きかバイクタクシーを利用しなければならないようで、

梭嗄行きのミニバスの出発時間もわからないし、行った先に宿がないかもしれない。

その場合六枝に戻るにしてもバスの運行が終わってしまっている可能性もある・・・そしてこの雨。

進むか・留まるか、はじめての場所を旅するときはどんな小さなことでもすべての決断が賭けのようなもの。



行ってみよう、まだお昼前、今日は前進・・・









わずかな生活具が並ぶ狭い部屋に置かれた大きな機で織物をする女性。

入口から差し込む外光が彼女の白い民族衣装と火麻の糸を浮き立たせる。

自分のすべきことを知る人は、どんな場所でも輝いている。