着用する布・死者を包む布・婚資の布・象徴の布・・・
織物・刺繍・・・編物・レース・・・
木綿・絹・麻・毛・・・
男のつくる布・女のつくる布・・・
インドネシア・スンバ島の布は、
[織物+着用する布・死者を包む布・婚資の布・象徴の布+木綿+女のつくる布]の組み合わせで継承されてきた。
布はスンバの支配階級とそれに使える女性たちのみが織り、織られた布は権力のしるしとされていた。
オランダの占領者はスンバ社会の伝統的な慣習に従い織られていた布を商品として輸出することにより、
スンバ人と布の関係性を徐々に違うものにしていった。
プレリウ村では男たちの絣を括る姿がある。
「いつ頃から男の人が絣を括るようになったの?」
「もうずいぶんまえからだよ、20年以上前だよ」
彼らの括る絣はもちろん、家族のためでも自分のためでもなく商品として売るためで、
染めや織りは今でも女性が受け持ち、絣の括りは男女ともに行っている。
[織物+商品+木綿+男のつくる物]の新しい組み合わせの布つくり。
もちろん第一の組み合わせ[織物+着用する布・死者を包む布・婚資の布・象徴の布+木綿+女のつくる布]も機能している。


スンバ島プレリウ村
男のほうが絣を括る指先の力も強く、迫力のあるデザインを考案できるかもしれない。
この先どんな第三の布つくりの組み合わせが生まれるだろう。