TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

インサナ ブナ織布との再会

nunoteshio vol.13のDM写真の布修理に手間取り、ハラハラしながら今日の夕方まで作業をしていた。

DMの布が初日に届いてないなんてことにならなくてまずは一安心。



どうしてそんなに手の掛かる布を持ち帰ったのか?答えは、出会ってしまったから、それも2度も。

1度目はもう何年も前のこと。インサナの村で見かけたその美しい布は、まったくわたしには無関心で話さえもする余地はなかった。縁がなったのだとひたすら言い聞かせながらも、自分の不甲斐なさを嘆いた。



2度目に会ったのはこの8月で、まえとは違う村での再会となった。だけどその数年間のうちに布に何が起こったのか、見るも悲しい姿になっていた。

中央は全面ブナ織り(縫取織)で両サイドは細い縞の間にブナ模様が織り込まれた布は、3枚を繋いで1枚にした纏布だったはずが、解かれて一枚一枚バラバラにされていた。そのうちの1枚の布は裾の方を引っ掛けたのか破れてしまいそこからハサミで切られている。痛々しい姿にどうしてこんなことに、最初の出会いのときになぜ呼び寄せることができなかったのかを悔やむばかり。



インサナでの再開時からこの布の修理が始まった。3枚に解かれた布はまた継ぎ合わせばいいのだけど、切られてしまったところはどうすればいいだろう。鋏の入った布の切り口はとても危険で、とにかく丁寧に縫い合わすしかない。

その奮闘の結果はoeshioさんで。







西ティモール モロの老人

ホームぺージのトップページ写真を更新した。

これは2015年の8月に西ティモールのモロ地方を訪れた時のもの。

写真撮影の依頼をすると、老人は大切に仕舞ってあった妻の織った布を取り出し正装の支度をしてくれる。

目にも鮮やかな模様のびっしり織り込まれたオレンジ色のブナ織り(縫取織り)の肩掛けに同じオレンジ色のビーズのビンロウ袋を下げ、そして頭にはバティツク。

ティモール人としては長身の体に、緩やかに布が巻かれてゆく。

剥き出しのブロック壁にピンクのカーテンが揺れる前に椅子を置き腰掛ける。

わたしの来訪を知り、その様子を遠くで見守っていた子供たちも集まってきて老人のまわりを囲む。

あれあれ、集まった男の子たちの洋服もなぜかオレンジ色。モロではいまオレンジ色が流行りと言うことでしょうか。

ちなみに西ティモールの言葉で"モロ"は黄色のこと。

nunoteshi vol.13 ~oteshio~

2015/10/20(tue)~10/25(sun)

am11:00~pm7:00 ※期間中無休



織りの途中で、まるで長方形に継ぎ接ぎでもしたかのように突拍子もなく模様が変わっています。

どうしてこんな面倒なことをしたのでしょう。織る人がかわった、それとも性格が、気分が変わったのでしょうか?

考えれば考えるほど、秩序あるたて糸とよこ糸の迷宮から抜け出せなくなります。実はそれが布の目的かも。

布談義、尽きない話に花をさかせにどうぞお出かけください。



10月23日(金)・24日(土)岡崎真奈美 在店





oteshio

札幌市中央区南1条西6丁目 第2三谷ビル 3階

011-271-9577

On the Beach ~Jurgen Lehl~



美しかった日本を覚えています。

だから知ってほしいのです。こんなに汚れてしまったことを。

私はそのゴミを使って、何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。

ただ美しいだけのオブジェではなく

もう一度人の役に立つ実用的なものに変えましょう。

ヨーガンレール

(On the beach 1 帯より)



いよいよ使えなくなって捨てられるときには、

土に還るものにしなければならないと考えています。

私は、もっと注意深く自然を見守りたい。

ヨーガンレール

(On the Beach 2 帯より)



ブナ織りと東南アジアの縫取織り ~Bahar~ 終了しました。

ご来場ありがとうございました。展示会楽しく無事終了いたしました。

写真は西ティモールの言葉で"クライ"と呼ばれる編袋。手紡ぎ木綿を天然染料で染めて漁網と同じ技法で編んでいます。ここに何を入れるか?Bahar 🆚 Timor textileの熱い決戦の6日間でした。Baharは季節の柿で台所にロマンを、Timor textileはトイレットペパーでトイレにロマンを提案。だってティモールではトイレットペパーが憧れなのですから。さてさてどちらに軍配が上がったかはご想像にお任せいたします。ありがとうございました。



ブナ織りと東南アジアの縫取織り ~Bahar~ 腰機

ティモールから持ち帰った腰機を展示しています。機にかかったたて糸を織り終わることなく亡くなり、そのままになっていたお婆ちゃんの機を彼女のお孫さんから譲って頂きました。

染色していない白いままの手紡ぎ木綿に色糸を用いブナ織りで模様が途中まで織り込まれています。機にびっちりと並ぶ滑りの悪いたて糸は一本一本が太かったり細かったり、糸綜絖を引き上げるとよこ糸の開口どころかすべての糸がくっついて持ち上がります。糸を紡ぐことから始まるこの腰機での織り仕事、ご来場の方に説明しながら、ティモールで出会ったこの光景が心を釘付けにし、今またもっと深く打ち込まれていくのです。

ブナ織りと東南アジアの縫取織り ~Bahar~ 2週目

清澄白河のBaharさんでの展示会、8日から10日まで2週目が始まります。

ティモール テキスタイル事務所は門前仲町なのでBaharさんまでは歩いて15分の距離。

鯉唐草の風呂敷で布を運び、毎日在廊しています。どうぞお出かけください。



Bahar 東京都江東区平野1-9-7 fukadasou 203

03-3630-3670

大江戸線・半蔵門線「清澄白河駅」A3出口より徒歩5分

海峡を渡る布 ~大阪歴史博物館~ 図録

大阪の大切な友人が、図録を送ってくれました。気になっていたこの展示会の全容が少し把握できました。

もちろん布の存在感や迫力は写真で味合うことはできませんが、バタバタと大阪に行かなくてすみそうです。



ティモールの布が一点ありました。ティモール島紋織(個人蔵)19世紀となっています。

中央の白い部分に縫取織でヤモリ紋、下部には綴れ模様が、そして両サイドパネルには経紋織の幾何学模様が入っています。

写真から、手紡ぎ・天然染料であることがわかります。19世かぁ~。