TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

衣の原点ー南太平洋諸島の樹皮布、編布などー岩立フォークテキスタイルミュージアム

In a begining clothes-South Pacific Islands


2017年11月30日ー2018年3月17日 木・金・土曜日 10時ー17時開館


岩立フォークテキスタイルミュージアムで「衣の原点ー南太平洋諸島の樹皮布、編布」の展示会が始まりました。南太平洋諸島の文化を研究され樹皮布の蒐集家でもある福本繁樹さんと岩立フォークテキスタイルミュージアム館長岩立広子さん、糸の布の道を、それぞれの関心で歩いてきたお二人のコレクションが一堂に展示され、いつもとは違う熱を感じます。寒い寒い冬に、樹皮布の文様から弾けるような南太平洋の人々の生の歓び、そして調査と蒐集に取り組むお二人の”布”への思いが館内に満ちていました。


樹皮布とは字の通り”樹”の“皮”の”布”です。樹皮と樹皮布では何が違うのかというと、樹皮が木の皮その物ならば、樹皮布は剥いだ木の内皮の白い部分を木や石の鎚で叩くことで樹皮の繊維を絡めて伸ばし布にしていきます。樹皮布は樹皮紙とも呼ばれるように、紙は靭皮繊維をバラバラにしてから漉くのに対して、樹皮紙は叩くことで繊維を解し紙と同じように仕上げることができるのです。もちろん樹皮布のほうが手間はかかりますが、高度な技術を持って叩いた樹皮布・樹皮紙は漉いた紙とほとんど見分けがつきません。そして叩き方で粗い毛布のようにも、薄い紙のようにも、しなやかな皮のようにもなります。


織物の素材になる木綿・麻・絹・毛はそれらの繊維を紡いだり績んだりして一本の糸にして行きますが、繊維を糸にしないで布にするのはまさにフェルトと同じ仕組みです。


5000年前とも6000年前ともいわれる中国南部で生まれた樹皮布は南太平洋諸島に伝わりエレガントに制作されてきました。トントントンと樹皮布を打つ音は、太古から変わらず美しい音を奏でているのです。


身に纏うために人類は古代からあらゆる工夫をしてきました。”衣の原点”もののはじまりは、ものの考え方のはじまりを知る手掛かりにもなります。



2018年2月3日(土)10:30-11:30から、インドネシアのスラウェシ島中部に残る樹皮布のお話しをさせていただきます。ものの、布のはじまりを一緒に考える機会になれば嬉しいです。どうぞ宜しくお願いします。


 


 


 


 


 


 


 


 


 

インドネシア 島々の絣 芹沢銈介美術工芸館 

東北福祉大学 芹沢銈介美術工芸館で10月3日からはじまった「インドネシア 島々の絣」の展示目録を観て来た方から頂きました。スンバ、サウ、ロティ、ロンブレン、カリマンタン、スマトラ、スラウェシ、バリ、チモール、ボルネオ(マレーシア)となじみの島々が列挙し、絣布とその他に土器や写本などを含む全63点が展示されているようです。まずビックリしたのはそのうちの三分の一にあたる23点がチモールとなっていて、男性用肩掛・腰布、女性用筒型スカート、キンマ用バック、首前飾り、土器とありました。次に慌てふためいたのは”首前飾り”。アイテムの珍しさもさる事ながら、そこに”刺繡”の言葉を見つけたからです。腰機文化のティモールでは機で、織りで、文様を地織りをしながら一緒に織り込み、本来刺繡技術は伝統にはありません。刺繡は布と針があってはじめて刺すことができ、布も針もない、そして刺繡を知らない人々は一見刺繡のように見える表現すべてを機で織りあげてきました。稀にあとから刺した布もありますがそんな布は伝統とはちょっと離れた刺した人の好奇心に溢れ微笑ましくなります。芹沢銈介の蒐集品”ティモールの刺繍の首前飾り” 会期は2018年2月1日(木)まで、どんなものなのか気になってソワソワします。雪の仙台、東北新幹線でぴゅーっと行かなくてはなりません。



 

nunoteshio vol.16 oteshio 札幌 おわりました

nunoteshio vol.16 幸せにおわりました。


毎年訪れる北の冬、いくら慣れているからと云っても雪は降り積り道はツルツル、そして気温はマイナスです。oteshioさん、暖かい思いと一緒に来て下さった皆さま、心から感謝します。着物に親しみ日本の染織文化に磨かれた感触は正直に布を弄ります。皆さんの眼と手肌に喜んで貰えるように次なる準備を始めます。ありがとうございました。



 

nunoteshio vol.16 oteshio 札幌 はじまります

2017年12月5(火)-10日(日)


oteshioさんで16回目を迎えるnunoteshio(ぬのてしお)展、雪の札幌で今年最後の展示会です。ビックリするような立派な布を何事もないかのようにグルグル巻いている皆さま、こちらただいま必死で一布入魂中です。


移転して新しくなったoteshioでお会いできるのを楽しみにしています。自慢の布巻き巻きでどうぞお出掛けください。