TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

母子花 ~幾何 清澄白河~ 2月22日からはじまります

苗族の見本裂の展示会をいたします。


貴州省に通うようになり、気になって訪ね歩いた布は、色々な模様を刺した小さな古い布でした。衣装や負ぶい布のための刺繍とは様子の違う布は、訊くと”見本”と教わりました。布に針で刺したなら刺繡見本と考えましたが、集めているうちに刺繡だけではなく、織りのための模様を組織図を描くように布に刺していると解ったときは、ひとり嬉しくて心が踊りました。どれが刺繡の図案で、どれが織物の組織図なのか、そして誰が何のために作り残してきたのか、もっともっと知りたいと思いました。


この布を”母子花”と呼ぶと知ったのは随分あとになってからですが、この字の組み合わせにますます愛しさは増し夢中にされたのです。


貴州省の革一で母子花を機の手元に置いて、経糸に緯糸を掛けて模様を織り込んでいる姿に出会いました。彼女は義母の織った負ぶい布の模様を見本にして自分の母子花を作り、それを見ながら負ぶい布を織っていました。集めた見本裂を見てもらうと「この模様は美しいです」「これは難しい、古い模様です」「この模様は時代遅れです」と嬉しそうに話してくれます。「刺繍も織物もできなければなりません」


黄平・台江・剣河の”母子花”50点、そのほかに刺繍、刺繡の衣装をご紹介いたします。


母と子と花、彼女たちの生活の記録です。ご覧いただけると幸いです。


 



2019年2月22日(金)~3月3日(日)


幾何 清澄白河


東京都江東区白河3-7-13


連絡先 090-2653-7664


info@nunona.com


 

インドネシアの染め織り ~島々のたからもの~ アートスペース繭 あと3日です


島には縞もあります。ただの縞ですが儀礼布としての役目を持つ縞もあります。縞・筋・線・ストライプ・ボーダー・ライン、直線で平行でどこまで行っても交わらない、そんなまっすぐで偏った性格だからかも知れません。


そうなのです。


インドネシアの染め織り 〜島々のたからもの〜


2019年1月14日(月)-23日(水) (日曜休廊) AM11:00-PM7:00


アートスペース繭 京橋(東京)


あと5日、縞で立ち止まっています。 繭島へ泳ぎ着けるかな。 




No.5200 147✖️17㎝ Savu 

インドネシアの染め織り ~島々のたからもの~ アートスペース繭 あと4日です

 




ティモールを歩きはじめたころ、たまに出会うベージュの糸の色合いが不思議でたまりませんでした。茶綿でもなく わざわざ染めた風でも わざとでもなく...どうしてこんな布が出来るのかと。そんな疑問をいつも抱えて村に入っていました。ある日、ティモールの伝統家屋”ウメック ブブ”で梁の上に置かれた、椰子で編んだ籠の中に保管した綿を目にしました。その綿の一番上は茶色くなっていて、はじめは汚れているのかと思ったのですが、どうやら家の真ん中でいつも焚かれている囲炉裏の煙に燻されたのだと分かりました。ちゃっかり糸を茶色く染めたの"煙"だったのです。収穫した綿や紡いだ糸が 織りを待つ間に燻されて茶色くなったのです。そして白い糸が茶色くなったことになんの抵抗もないようでそのまま織りに使います。綿も糸もとても時間をかけて栽培し紡いだとても貴重なもの、自然と時間と人の共同作業で生まれる三位一体布です。 模様も凝った技法もない野性な布「こんなんがいいんかい」と村のみんなに不思議がられた思い出もあります。こちらも不思議であちらも不思議。それからはこんな野生の布がよく集まってきてくれます。




インドネシアの染め織り 〜島々のたからもの〜 2


019年1月14日(月)-23日(水) (日曜休廊) AM11:00-PM7:00


アートスペース繭 京橋(東京)


体はフラフラ頭はグチャグチャ、あと4日です。布たちが頼りです。


No.9919 172✖️82㎝ West Timor 

インドネシアの染め織り ~島々のたからもの~ アートスペース繭 

あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。


年を跨いでの布探しからフラフラで帰国しました。ただいま布と一緒にヒイヒイしながら展示会の準備をしています。


あと一週間、はじまります。皆さまのお越しを心から、布と共にお待ちしています。どうぞ宜しくお願いします。


『インドネシアの染め織り~島々のたからもの~』


2019年1月14日(月)~23日(水)(日曜休廊)AM11:00-PM7:00


アートスペース繭 京橋(東京)



太平洋にはおよそ2万5千の島があるといわれ、そのうちの1万3千余りは世界最大の島嶼国家インドネシアです。インドネシア共和国で綴られた島々は、風土も言語も違い、話される言葉の数だけ布があります。布は群島世界を形づくり、民族文化を知るための糸口になります。島を渡る船の中で、布を巻いている人がいたら、間違いなく彼・彼女の布でしょう。海から運ばれてくる模様や技術は島の文化と結ばれ、多種混交な布が生まれました。スマトラ島の絹布、ティモール島の木綿布、スラウェシ島の樹皮布、そして大陸から渡ってきた布など・・・・。今”繭島”に流れ着くのは、今までの、そしてこれからの布の物語です。