TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

バウカウの行商人 ~東ティモール~

バウカウは首都ディリに次ぐ東ティモールの第2の町で
コタ ラマ(古い街)とコタ バル(新しい街)の2つの地区に分かれている。
コタ ラマには1960年に建てられたピンクの外観のホテル“Pousada de Baucau"を中心に、ポルトガル植民地時代の面影が残る。
ホテル近くに頭に肩にと布を担いでいる男の姿があり、声をかけて呼び止めると男は観光客目当てに布を売る行商人であった。
荷を開いて見せてもらった布はすべて新しい布ではあったが、
それぞれの布の産地を訪ねてみると、“バウカウ”“フィッケケ”“マリアナ”とさまざまで、
当の本人はどこから来たのかと聞いてみると、「エルメラから来た」と答える。
エルメラはディリの南西山間部でここバウカウは北東海岸に位置するので、東ティモールの3分の2ほどを移動してきたことになる。
途中で立ち寄った場所で布を交換して、色々な産地の布をバウカウの町で行商をしているのだ。
バウカウの町で2人の行商人に会ったが、彼らは共にエルメラの人間であった。

首都ディリには東ティモール各地の織物を売る店が集まった“タイスマーケット(織物市場)”がある。
30件ほどの小さな小屋が並び、正面は店で裏は住まいになっていて、商いも食事も睡眠も子育てもそして機織も・・・すべてここで行なわれている。
一軒一軒の店を端から順に布を見せてもらい、布の産地を訪ね、そして店の人の出身かを聞くと皆ボボナロのケマック人だと答える。
どうやらディリのタイスマーケットはケマック人の共同体によって運営されているようだ。ひとつの民族が専門的に物を扱っていることは良くある。

 


バウカウの行商人

ディリのタイスマーケット