TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

ティモールの馬文様

馬は横を向き、人は両手を上げ両足を馬の腹から突き出し正面を向いている。

ケンタウルスは頭が人で体は馬だが、この模様は人と馬の合体型。

馬に人が突き刺さっているのではなく、馬に跨る人を表現した、藍色の地に白く抜いたたて絣の特徴を活かした独創的な意匠は文句なしに目と心を揺さぶる。





布は男性用の腰布として織られたもので、

馬に跨った模様は左右対称なパターンとして布の上に並び、別の場所ではこの模様が逆さまになっている。

それはたて糸に模様を結ぶ際、布を四つに折り畳んだのと同じ状態で枠に張ったたて糸に模様を括っていくからで、絣模様を括り、染織が終わったたて糸を織機に掛けるとき、折り畳んで括った糸を開くと反転した模様が繰り返され、そのたて絣の模様がずれないよう織機に整経していく。



ひとつ目の、大きく垂れ下がる耳の人型模様はティモールのアマヌバン、アマナトゥン、ミオマフォで織られ、

馬模様はアマヌバンのみ、そしてこの馬に跨る人型模様はアマヌバンのヌレ村でしか織られていない。

人型模様や馬模様はお祭りなどで着用されていたが、今ではほとんど見ることはなく、

これらの模様を括れる女性もすでにいないと村人はいう。



いまにも地面を蹴って駆け出しそうな馬の背で飄々と手を上げているさまは、

ティモールの友人たちの性格をあらためて裏付けるかのよう。











扉に彫られた模様では、男が膝を立てて牝馬の上に座っている。