TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

切符

切手は葉書を届けてくれる。それは破られることのない約束のように疑うことはない。

切符は目的地まで運んでくれる。それは根拠のない保証のように安心できる。

どこかから歩いてきて、券売機のまえで立ち止まる、止まる。

足を止めてまっすぐに立ち、小さく息を整える。

路線地図を見上げ、目的地の料金を探す。いろんな色の線が重なりあって四方に広がっている。

券売機にお金お入れて切符を買う。目的地までの切符を買うときもあれば、一度も降りたことのない駅までの切符を買うこともあるし、

一区間しか買わないこともある。だから切符を買うときはいつも三択をしなければならない。小さな旅のゲームのように。

でも間違っても目的地より先の切符を買ってはいけない。

切符には乗った駅名から→で料金が示され、この→の先に目的地がある。

改札を抜けて、切符をお守りのように大切に小銭入れにしまう。これで安心。

東京の線路のほとんどはロングレールなので、ガッタンゴットンと線路の隙間に落し物をすることもない。



行く先を確認しながら旅するように、もうしばらくここでも立ち止まりたいのです。3×5.7cmのなかに。

だからパスモもスイカもまだまだデビューできそうにないし、なかなかスイスイも行かない。

だって券売機がまだあるんだもの、句読点のように。

お出かけ一緒のときは切符買うのどうぞ待っててください。