TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

スラゥエシ樹皮布作り~ クンバサ パンデレ村~

中部スラウェシ州の州都パルの町から南に約35キロ、クンバサ地方のパンデレ村を訪れる。村で樹皮布を作る女性を尋ね歩くと「ほら、音が聞こえてくるよ」と教えてくれる。音の鳴る方に歩いて行くと家の前に設置した作業場で老女が樹皮布を打っていた。

「トキ、トキ、トキ、こうして樹皮布を打つんだよ、心を込め丁寧にそしてリズミカルに。そうしないといいイフォ(樹皮布)はできないのさ。トキトキトキ」

老女の口から溢れる、"トキ、トキ、トキ"の言葉が耳のうちで響く。"トキ"とはどうやら現地の言葉で"ノックするというようなことを意味しているよう。樹皮を打つ、叩くではなくてノックする。どこをどんなふうにして欲しいのか、樹皮との意思の疎通を図りながら一緒に作業を進めていくよう。

トキ、トキ、トキ、ノック、ノック、ノック。家の裏からも同じ音が聴こえてくる。誰かが樹皮に話しかけている。