TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

待つ時間

お待たせいたしました。この言葉、もし待っていてくれる方がいたとしたらなのですけど。

一昨日無事成田空港に着陸、年明け第一弾25日間の布旅。中国からラオスに入り、ベトナム経由で帰国。旅もそろそろ終盤という頃に調子が出てくる。体と脳が温まるのに時間がかかり過ぎ。



多分、短期間ならそれなりにさっさとトップギアに入れて仕事をするだろう。そして長期間ならそれはゆっくり行われる。

ならば短期間でさっさと行って集中し、ととっと帰ってきても同じではないかと思いもするが、この一見無駄に思える温め時間に布を待つ、人を待つ、出会いを待つ、バスを待つ、待つ体勢と気持ちが整ってくる。

織られた時間、伝えられた時間に軸を合わせる。何かが来るのを、何かと出会うのを待つ時間。贅沢すぎる。

待つ時間にはいろいろ考えもする。ない頭をグルグルさせながらふと、良い織物とは「待つ」ことを待っていると云う感覚なしに行われた結果かも知れないと。

1年2年・・・5年10年、織り上がるまでに掛かる長い年月、それを意識せずに織りつづける。

中国 雲南省の馬関駅の前でカップルが待ち合わせ。スマートフォンがある今、待ち合わせにこない誰かをジリジリと心配しながら待つ事はなくなった。

彼女はデートのためのとびきりのオシャレをしている。ピンクのセーターの胸には大きく「LOVE」の文字。

刺繍風のプリントのプリーツスカート、機械刺繍で民族衣装を着た女性が描かれた前掛け、そして脚絆。

その姿から彼女がミャオ族の女性であることが解る。

民族衣装はすでに飛び越えて「エスニックスタイルファッション」と呼べそうな新しいジャンルの装い。

彼女は彼に言うだろう「もう待つなんて嫌」。