TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

ファト アトニ村



西ティモール アマヌバンにファト アトニという村がある。ティモール語でファトは石、アトニは人またはティモール人で、さながら人の石の村、ティモール人の石の村となる。この村の名前は古くから村人の信仰対象とされてきた上半身の形をした自然の石を由来とし、石は山の中に祀られ必要に応じて祈りが捧げられていた。

話しによると事は今から15年前に起こった。お金に困った4人の男たちが、古い祖先の石ならば高く売れると、山にから盗み出しクパンの街に運んで行った。そして石を盗んだ男たちはその後すぐに死んでしまったと。



この布はファト アトニ 村の腰衣の模様部分。ドレスを着た女性やヤモリの姿があり、なぜかその上げた両手は赤い。横には肢体をゆったり伸ばしたワニが描かれ、尻尾には赤い鳥が止まる。ワニは祖先と考えられ、ヒトはワニの子孫。ワニとヒトの模様には必ず鳥、ヤモリと他の生き物も配置しなくてはならない。そうでなければワニはお腹が空いてヒトを食べてしまうからと。それが村で私の聴いた話。

石の行方はどうなったのか、肝心なことを聞き忘れた。