TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

オサップ

インドネシア ロンボク島、ササック人のオサップと呼ばれる織物。

儀式や儀礼の際に供物に掛けたり、載せたりする。

幾何学模様のなかに、人とクリスマスツリーのような木が、黒い緯糸で表現されている。

直立した人の姿は、織模様にしてはリアルに表現されていて、

今ではすでにイスラム化しているササック人の織物に、このような人型の模様が現れることはない。

人型の模様からはその土地の原始宗教の記憶を読み取ることが出来る。









ボーっと影のように浮かび上がる人型を見ていると、

イエス キリストを包んだとされる「聖骸布」といわれる布があることを思い起こされる。

もちろん写真でしか見たことはなく、その真偽はまだ定かではないそうだが、

その布には、イエス キリストの身体が映し出されているという。だから、イエスの顔を知ることが出来たと。



ボリビアを旅したとき、スクレにある“カテドラル博物館”の最後の部屋の壁に、

"COPIA DELA SABANA SANTA"(聖サヴァナの写し)と書かれた横長の大きな布が掛けられていた。

見た瞬間にアッと声が出そうなほどに驚き、即座に「聖骸布」の言葉が頭を過ぎった。

その布は、頭からスッポリ被せた布を開いたように、等身大の人の痕は、頭をつき合わす形で左右に仰臥していた。

本当に人の写しなのか、それとも象徴とするものなのかは聞くことは出来なかった。



布にはあらゆる情報が写り込んでゆく。

布を織っているときも、そして織り上がってからも。