TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

西ティモールのコロナ禍

西ティモールの各地で開かれている定期市もまだ閉じたままのようです。まもなく2か月になります。
ブギス人が大きなトラックで運んでくる砂糖やコーヒーやお菓子の食料品、衣類やサンダル、織物の糸や染料、鉛筆やノートなどが買えなくて困っていると思います。
でもそれ以上に布や野菜や家畜を定期市で売ることができなくて現金収入が止まってしまい、みんな頭を抱えているはずです。携帯電話の料金とバイクのガソリン代は、お金での支払いしかできないのです。

ティモールに電話すると、布を持って村人が私を探していると。もし私がいても必ず買うとは限らないのですが、勝手にやってきて帰りのバス代がないとお金をせがまれると電話の向こうで笑っていました。これは町でも村でも市でも、どこで出会っても使う手口です。
お金は渡しているようで、すべてわたしのつけになっています。
バスは走っているようですが、バトゥプティでお医者様の検査があるといっていました。

私も同じように頭を抱えています。
こんな時は原点に戻るものひとつの方法かもしれません。布を背負って歩いた、仕事を始めたころのように。でもどうぞご安心ください。帰りの電車賃がないといってせがんだりはしませんから。

ティモールのみんなはきっと逞しく乗り越えるでしょう。
そして彼らのお陰で私も随分と、
太々しくなりました。

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いつだったか村で布を広げていたとき、ママ猫がやってきて布のど真ん中に太々しく座り込みました。ちょうど値段交渉の最中だったので「ほら、ママ猫もそれじゃ駄目だって反対している」
ビンロウを噛んだ真っ赤な口には、勝ち誇った笑みを浮かべていました。
そんな日をひたすら恋しく待ち望むのです。