TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

リウと灯り

すっかり陽が落ちたころ、リウは平石を積み上げた茅葺き屋根の“ロポ”に椰子で編んだ茣蓙を広げ、ほのかな灯りの中で籠を編み始めた。

灯りは、油の入った小さな缶に撚った綿の芯を差し込んだもので、木の柱に置いている。

辺りは真暗闇で、少しはなれたところにある家の隙間からも同じようなともし火が漏れている。

わたしは、ポケットにあった懐中電灯を取り出し、リウが仕事をしやすいようにとその手元を照らした。

しばらくは何も言わず手を動かしていたリウが、煩わしそうに右手で懐中電灯を払いのける。

「いらない」

「どうして、暗いでしょ」

「あなたが帰ったら、その光もなくなる」

「リウの言うとおりだね」



風が小さな炎を揺らすと、リウの影も揺れる。