TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

春休みの課題

パスポートを持ってはどこにも行けなくなっても、パスポートなしで行けるところもあります。
繕いだらけの木綿布は現役にはたいそう働きものであった酒袋。この酒袋の上に急いで必要なわけもない探し物を配置します。榀布の袋、ちぎれた木綿の紐、ピンクの絹紐、鈴の付いた小さな皮の袋、両端に麻紐の付いた皮の筒2本。なんだかわからないけど手にして言葉を交わし、やっぱりわからないことやわかって教えてもらったことを租借しながら住処に持ち帰ります。
お茶を入れて手入れをしながら観察して、少しづつ答えに近づきます。

榀布は袋状に縫い合わされているので袋で間違いなし。何を入れていたのかは自由に想像します。ちぎれて、まるでコーティングしたかのようにテカテカになった木綿の紐は刀の塚に巻かれていたもの。それを知ったときには、塚を握らなくてはならなかったその手の状況を想い複雑な気持ちになります。ピンクの絹紐は帯締めで、どんな帯に合わせていたのでしょう。鈴の付いたあまりにも小さな皮の袋は懐に入れて旅に出かけたお守り入れと教えられました。両端に麻紐の付いた皮筒は最初は鞄の取っ手かと思い握りしめて眺めているときに、ふと鼻緒であると気が付きます。
日本でも、ティモールでも何処ででも、探し物との出合はこんな流れで進行して、いつもどんより鈍い頭を少し作動させてくれます。

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