TEXTILE DIVER 布を探しに

布につながるすべての感覚をひろげて 

雲のような木綿布

 西ティモールの丸い家“ウメックブブ”の窓のない閉ざされた真っ暗な内部空間は、囲炉裏の煙に燻されて隅々まで艶々と黒光しています。その梁に置かれた椰子籠には収穫した木綿がこんもり入っていて、木綿はこの先に続く糸への工程をのんびりと待っています。晴れた日の雲のように真っ白だった木綿の一部は燻されて雨雲色に。
ティモールでは茶綿を見たことも聞いたこともないのにたまにデタラメな茶の糸の入った縞のグラデーションの粗野な糸味と色味のある美しい布に出会うことがあります。いつも不思議に思っていました。時間と煙の悪戯、そしてそのことに寛容な織手との共同制作。どんな布が織り上がるか想像できますか?雲のような木綿布。

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